台風15号の被災地・千葉で今度は大雨です。16時のレーダーには真っ赤な豪雨ラインが映っています。衛星画像では目立つ台風21号の雲の西ににんじん状の雲が見られ、テーパリングクラウドと呼ばれます。これがレーダーで映っている豪雨ラインに該当する積乱雲群です。
▲2019年10月25日16時の気象レーダーと衛星赤外画像
同じ時刻のアメダス風と気温からは、この豪雨ラインを作った風の収束ラインがはっきり見られます。気温は海からの風が入っている場所は内陸よりも明らかに高い気温です。内陸の冷気層に海からの暖湿気流がぶつかって持ち上がり、積乱雲が続々発生したものと考えられます。
▲2019年10月25日16時のアメダス風と気温
Windyというサイトでは風の流線が見れますが、台風からの湿った気流と、低気圧の気流、および内陸の気流が千葉付近で収束している様子がはっきりと表現されています。これだけの条件がそろい、千葉駅を冠水させ養老川などを氾濫させる大雨が発生しました。
▲2019年10月25日16時の風と降水量の解析図
千葉にとっては災難でしたが、これだけきれいに現れてると自然の神秘の前に畏怖の念すら覚えます。
加藤芳樹
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